日本尺八演奏家ネットワーク JSPN 設立公演を開催しました。
日本尺八演奏家ネットワークの設立趣旨となります「尺八音楽および尺八演奏家の価値を高め、日本文化の発展普及に寄与すること」を達成するための初めての催しとして、令和元年5月10日に設立公演を開催致しました。
「巣鶴鈴慕」「鶴の巣籠り」は伝統的な楽曲でありますが、先人の示してきた革新性を示すものとして象徴的に取り上げ、プログラムを古典曲から現代曲までの尺八の楽曲のみで構成することにより、近年国内外で広がりを見せる尺八独自の音楽性を認識して頂き、その多様性と革新性を示すことが出来たように思います。そのことは出演会員の楽曲に対する理解力や演奏力が前提となりますが、プロ演奏家の音楽性や演奏力を感じて頂く良い機会となったように思います。また各方面より高い評価を頂いており、今後の活動に対しての期待度を感じるものでした。
<日本のプロ尺八演奏家たちの競演>
Japan Shakuhachi Professional-players Network Presents
巣鶴鈴慕 VERSUS 鶴の巣籠り
―尺八の伝統曲は革新的なのか―
日時 : 2019年5月10日(金) 18:30開場/19:00開演
場所 : 豊洲シビックセンターホール [東京都江東区豊洲2-2-18]
料金 : 前売り¥5000[学生・会員¥4000]/当日¥6000
出演 [尺八] : 日本尺八演奏家ネットワーク(JSPN)会員
尺八音楽の代表的な伝統曲「巣鶴鈴慕」「鶴の巣籠り」は、現代でも演奏家たちによって取り上げられることが多い楽曲です。鶴の子育てから巣立ちまでの親子の情愛を共通の曲想とし、琴古流をはじめ上田流・明暗流・錦風流・都山流など各流各派に同名の楽曲が存在しています。これだけ多くの同名異曲が存在し伝えられているということは、その時代や地域を背景に名手たちが魅せられ、特徴的な手法や奏法を大切にしながら革新的なアレンジを繰り返してきたのではないかと考えられます。そのような名曲を、現代の名手たちが一堂に会し競演致します。各流各派に伝わる楽曲は勿論のこと、文献や音源を基に研究した独自の解釈による演奏や、現代の作曲家夜若手会員による新作や大編成での演奏もお聴き頂きます。
古典本曲解説を神田可遊氏にご執筆頂く。また水墨画家・現代美術家:土屋秋恆氏に題字をお願いし象徴的な作品を作成展示致します。
この本公演では伝統的な楽曲「巣鶴鈴慕」「鶴の巣籠り」を、先人の示してきた革新性を示すものとして象徴的に取り上げ、<伝統は受け継ぐものではなく、残ったものが伝統となる>という発想のもと、創造的・実験的な取り組みを行い、そこで生まれたものが伝統となることを願うものです。
尚、表題の「VERSUS」は対決を意味するものではなく、お互いを認め向き合うという意味で用いています。
<プログラム>
【第Ⅰ部】
琴古流本曲「巣鶴鈴慕」
尺八 徳丸十盟
布袋軒伝「鶴の巣籠」
尺八 菅原久仁義
都山流本曲「鶴の巣籠」
尺八 野村峰山 藤原道山
蓮芳軒・喜染軒「鶴の巣籠」
尺八 善養寺惠介
【第Ⅱ部】
「寂滅の詩(じゃくめつのうた)」~鶴の一生に寄せる~ 田野村村聡 作曲/新作初演
尺八Ⅰ 小湊昭尚
尺八Ⅱ 岩田卓也
尺八Ⅲ 元永拓
尺八Ⅳ 松本宏平
尺八Ⅴ 友常毘山
尺八Ⅵ 田嶋謙一
尺八Ⅶ 小濱明人
尺八Ⅷ 大河内淳矢
パレストリーナ対位法による変容 「鶴の巣篭」 高橋久美子作曲/2007年
尺八1 石垣征山
尺八2 川村葵山
「CraneSpotting」 三宅一徳作曲/新作初演
尺八ソロⅠ(1.6):田辺頌山
尺八ソロⅡ(1.8):藤原道山
尺八ソロⅢ(2.3):柿堺香
尺八Ⅰ(1.6):石垣征山 野村峰山 徳丸十盟 三塚幸彦
尺八Ⅱ(1.6):岩田卓也 善養寺惠介 友常毘山
尺八Ⅲ(1.8):大河内淳矢 田辺洌山 田野村聡
尺八Ⅳ(1.8):石川利光 小濱明人 小湊昭尚
尺八Ⅴ(2.3):川村葵山 菅原久仁義 松本宏平
尺八Ⅵ(2.3):坂田梁山 田嶋謙一 元永拓
(出演者名は五十音順)
作曲:三宅一徳/田野村聡(会員)
解説(古典本曲):神田可遊
題字:土屋秋恆 (墨画家・現代美術家)
デザイン:田中康博(HAYABUSA)
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援 :公益財団法人 日本伝統文化振興財団/有限会社 邦楽ジャーナル
プロデュース: 田辺洌山 [和傳社office]
主催 :日本尺八演奏家ネットワーク(JSPN)